三国志の知識で米中関係を読み解く

中国が近いうちに崩壊する・・・多くのメディアでこの見出しをこれまで多く見てきました。
多くの日本人、それも知識人含めて「中国はまずい」といっています。そして、来るべき中国の崩壊への備えとともに「やっぱり日本は強い」と安心している日本人が多くいます。しかし、この中国のイメージが中国自らによって作られていたとしたらどうでしょう?「敵の自己満足を引き出して、警戒態勢をとらせない」作戦として、年1兆円の資金をかけてこのイメージを作り出しています。このような、中国の真の姿・驚くべき戦略を皆様も良く知る三国志などの中国史のエピソードを交えて紹介しているのが本書2049。

・2049
http://www.amazon.co.jp/dp/B0152SPEQE

2049は西暦2049年のことで、この戦略で中国が世界の覇権を握る目標の年をあらわしています。歴史に詳しい人ならこの年が中国の建国100周年であることはご存知でしょう。そう、本書で紹介されている中国の戦略はなんと100年計画。計画名も「100年マラソン」と呼ばれています。

その計画の大枠は2章で説明され、それ以降の章では実際の戦略が述べられています。個人的には、3章にある戦略(自分たちを弱者だとアメリカをだましつつアメリカの力を利用して強国となりソ連を倒した戦略)と、7章にある対アメリカ戦争を想定した軍備に対する考え方(核ではなく情報兵器を持つ、圧倒的低コストで敵兵器を無力化する武器を集中的に開発する、など)が印象に残りました。

紹介されているのは米中関係になりますが、これから組織内で企画を立てる人は、社内のインフルエンサーの支援を得るためにどのように振舞えばよいのか、ということを知るためにも本書の知識は利用できます。

作者は元CIAの中国情報分析の専門家。ニクソン大統領時代からの中国のスペシャリストで、親中派だった過去を捨て、中国と敵対する覚悟で本書を上梓。